新生児聴覚検査について

藤井しんすけ質疑

質疑を行う藤井しんすけ

 平成28年度「新生児聴覚検査の実施状況等」によれば、全国的に検査体制が整備されているとは言えず、国では、検査の推進体制を整備するため、29年度より「新生児聴覚検査体制整備事業」を開始し、都道府県に対して検査実施を促している。
 本県も、県内の新生児聴覚検査が進んでいない状況を踏まえ、市町村での検査が適切に実施されるよう推進体制を整備し、県内の新生児全てが検査を受けられるよう取り組むことが必要である。
 知事は、子どもの将来が生まれ育った環境に左右されないための、「子ども」をキーワードにした様々な施策を検討しているが、新生児聴覚検査の実施は、本県に生まれた子ども達が、初めて享受する県の支援でもあるので、温かな手を差し伸べられるよう市町村連携体制の整備を進めるべきと考える。

 そこで、県内市町村における新生児聴覚検査を推進していくために、今後、どのように取組を進めていくのか、所見を伺いたい。

知事答弁

答弁を行う黒岩知事

 先天性の聴覚障がいのある子どもが、障がいに気づかれずに、適切な支援を受けられない場合、その後のコミュニケーション能力や言語能力の発達に影響が生じます。そのため、できるだけ早期に発見し、適切な支援につなげていくことが重要です。
 新生児聴覚検査は、こうした先天性の聴覚障害を早期に発見するため、産科医療機関において、生後3日以内に初回検査が行われ、必要に応じて、確認検査や精密検査が実施されます。
 そして、聴覚障がいが認められた場合には、適切な療育が受けられるよう支援していくことが必要です。
 こうした初回検査から療育に至るまでの一連の対応は、母子保健事業として、市町村が実施することとされていますが、検査費用の公費負担などの課題もあり、市町村事業として新生児聴覚検査を実施している自治体は限られています。
 このような状況を踏まえ、県では、県内における新生児聴覚検査の実施状況や課題を把握するため、産科医療機関128か所を対象に調査を実施しました。
 その結果、多くの産科医療機関で検査が行われているものの、市町村との情報共有がほとんどないため、検査の結果が、その後の母子への支援や周知に生かされていないなど、市町村と医療機関の連携体制の課題が浮彫りになりました。
 県では、これまでも市町村との会議等を通じて、新生児聴覚検査の周知などに取り組んできましたが、今後、市町村による検査の実施を推進していくためには、医療機関など関係機関との連携体制の構築が重要です。
 そこで、平成30年度から、医師会や教育機関、市町村などで構成する協議会を設置し、新生児聴覚検査の地域連携体制や普及啓発、支援のあり方等について検討を進めていきたいと考えています。
 今後は、この協議会での検討を通じ、地域における課題を整理しながら、新生児聴覚検査の推進が図られるよう取り組んでまいります。

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