「さがみロボット産業特区」における研究開発について

質問要旨

質疑を行う藤井しんすけ

「さがみロボット産業特区」が地域活性化総合特区の指定を受けた。
 「さがみロボット産業特区」の取組が本格的にスタートするに際し、大きな原動力となるのが、県内の製造業事業所の99%を占める中小企業である。本県には、優れた技術を持った中小企業が数多くあり、それこそが、神奈川全開宣言で強調される潜在力である。ロボットは、まさに、中小企業が培ってきた、ものづくり技術を発揮するのにふさわしい分野であり、県は、中小企業を元気にするための絵姿を速やかに描き、県民全体で共有しながら、取組を進めてもらいたい。中でも、生活支援ロボットの実証実験の促進に加え、その前段階の研究開発を積極的に進めていくことが大切であり、県はその支援に力を注ぐべきである。
 平成25年度当初予算案では、ロボット関連産業の振興に関わる事業として「神奈川版オープンイノベーションの構築」が位置付けられている。
 そこで、「さがみロボット産業特区」の取組を進める中で、ロボット関連産業を振興する「オープンイノベーション」については、具体的にどのように進めていこうと考えているのか、伺いたい。

知事答弁

答弁を行う黒岩知事

「さがみロボット産業特区」では、県内の大企業を中心に開発が進められている生活支援ロボットの実証実験を支援し、商品化を後押しするほか、優れた技術を持つ中小企業等の強みを活かした絶え間ない技術革新、イノベーションをめざしています。
 そこで、お尋ねの神奈川版オープンイノベーションといった仕組みを設け、大企業と県内中小企業との技術連携による共同開発・商品化を促進していくこととしました。
 具体的な進め方ですが、はじめに、県や大企業から、例えば「健康寿命を延ばすための、高齢者の体力回復を図るロボット」や「津波で流された方を捜索し救助するロボット」といったような開発テーマを提示します。
 それを、技術に詳しい外部の専門家や企業の開発担当者などが分析して、例えば、人の関節の動きを感知するセンサーや、水中でロボットが活動するための推進技術など、どのような技術を組み合わせれば実現するかを明確にし、参加する企業を募集いたします。
 そして、専門家の助言を受けながら、参加企業の技術のマッチングや共同研究・開発を進め、実証実験等を通じてその有効性を確認していきます。
 その後は、商品化する際の各種規制や、市場の動向を反映した販売戦略、特許等の知的財産の扱いなどに詳しい実務経験者の助言の下、実用化を図ります。
 この神奈川版オープンイノベーションを成功させるため、県では、

 などを早急に進めます。
 こうした取組を精力的に進めることで、県内中小企業のものづくり技術の結集を図り、「さがみロボット産業特区」構想を実現してまいります。

要望

一点要望しておきます。
 「さがみロボット産業特区」、知事から具体的に中小企業に対する、入り口から出口までといいますか、お話をいただきました。
 そういった意味では、この中小企業の皆さん、この「さがみロボット産業特区」に本当に期待されております。その期待が本当に花開くように、中小企業の皆さんに寄り添う形で、これからも進めていただければと思います。
 これが、神奈川県の、知事がおっしゃったようなその潜在力を大いに活かしていく、一大エポックとなると思いますので、ぜひこれからも力添えをいただきたいと思います。

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